目次
メッシュツールについて
今回は「メッシュツール」を紹介します。
メッシュツールはオブジェクトをメッシュ状に変換して色をつけることができるツールで、複雑なグラデーションを簡単につくることができます。
また、「グラデーションメッシュ」とも言います。
※本チュートリアルはIllustrator ver.28を使用しています。
グラデーションの複雑バージョンって感じかな。
そうだね。Illustratorにはグラデーションパネルで「フリーグラデーション」という機能があるけど、それより自由度が高いツールになるね。
メッシュツールの使い方
メッシュを作成するには、オブジェクトに対してメッシュツールでクリックするだけです。
クリックした箇所にメッシュが作成されますので、その箇所を「メッシュツール」もしくは「ダイレクト選択ツール」で選択して色を変更します。
ダイレクト選択ツールでもメッシュを選択できるんだね。
そうだよ。色はメッシュを中心に外側に広がるように着色されるよ。
メッシュポイントの追加
メッシュポイントを追加するには「メッシュツール」でオブジェクトをクリックします。
メッシュポイントの削除
メッシュポイントを削除するには「メッシュツール」でオブジェクトをoption/alt +クリックします。
メッシュの追加と削除は簡単にできるね。
メッシュが複雑になりすぎたら、ポイントを削除するとキレイにまとまることがあるよ。
メッシュの色設定方法
メッシュの色変更は交差したメッシュポイントで色変更できますが、メッシュの面の部分のメッシュパッチを選択しても色変更ができます。
イラストやデザインの状況に応じてこの2通りの方法を使い分けてメッシュを活用しましょう。
メッシュはツールバーの「メッシュツール」以外にも以下のようにIllustratorメニューからも可能です。
Illustratorメニュー→「オブジェクト」→「グラデーションメッシュを作成…」で表示されるダイアログで、行数・列数・種類・ハイライトを設定できます。
メッシュの移動方法
メッシュポイントの移動は「メッシュツール」もしくは「ダイレクト選択ツール」で行います。ただし、shift キーを押しながらメッシュラインに沿って移動する場合は「メッシュツール」のみとなります。
以下のように円形のオブジェクトのメッシュに沿って移動したい場合はshiftキーを押しながら移動すると便利です。
メッシュを使ってイラストを描いてみよう!
それでは実際にメッシュを使ってイラストを描いてみましょう。
今回は以下の4点をメッシュを使って作成していきます。
- グラデーションの背景
- 立体感のある星のイラスト
- 水滴のイラスト
- 立体感のあるリンゴのイラスト
グラデーションの背景をつくる
シンプルなグラデーションの背景をつくってみましょう。通常の直線グラデーションより、有機的で動きのあるグラデーションがつくれます。
※詳しくは上部にある動画を参照ください
- 任意の四角形を描く
- なるべく少ないメッシュを追加
- メッシュポイントに同系色の色を設定して完成!
Illustratorでもなめらかなグラデーションができるんだね。
そうなんだ。Illustratorのグラデーションパネルの「フリーグラデーション」より曲線を強調したグラデーションがつくれるよ。また、こういったグラデーションはバナーデザインやチラシの背景にもぴったりだね。
メッシュのカラーバリエーション展開はオブジェクトを選択した状態で、コントロールパネルにある「オブジェクトの再配色」をクリックすると簡単にバリエーションが作成できます。
立体感のある星のイラスト
簡単な星のイラストに形状に沿ったハイライトとシャドウを加えることで、より立体感と質感がプラスされます。
※詳しくは上部にある動画を参照ください
- スターツールで星の形を描く
- 縦にメッシュポイントを3つ追加する
- 上部にハイライト、下部にシャドウを追加して完成!
3Dっぽい質感でいいね。
オブジェクトに形に沿ってメッシュが作成されるから、厚みのある表現にはあってるね。ただしあまり形状が複雑だとメッシュ自体がきれいに作成されないから注意しよう。
水滴のイラストを描いてみる
通常のグラデーションでは表現できない曲線を多用したリアルな水滴表現も簡単にできます。
※詳しくは上部にある動画を参照ください
- 適当な曲線のイラストを描きます
- 少し多めにメッシュツールでメッシュを追加
- 形状の周りに同系色の濃いめの色や白色を入れて完成!
水滴って難しいイメージだけど、メッシュを使えば意外と簡単だね。
水滴みたいに反射によって色が変わるような物体はメッシュが活躍するね。
立体感のあるリンゴのイラスト
リンゴのようなくぼみのある形状もメッシュとメッシュポイントの移動をうまく活用してより質感のあるイラストに仕上げることができます。
- リンゴの形状を簡単に描く
- メッシュを追加して色を設定、パーツごとにハイライトとシャドウを意識する
- くぼみはメッシュポイントの移動を使って表現して完成!
リンゴの丸みの光や熟れてない色もメッシュで表現できてるね。
超リアルとまではいかないけど、イラスト表現としては十分にリンゴに見えるから素材としていろいろと使えるね。
サンプルaiファイルダウンロード
サンプルとして今回のメッシュで作成したIllustratorデータをai形式でダウンロードできます。また、このイラストデータは商用利用もOKです。
メッシュツール まとめ
今回は「メッシュツール」を紹介しました。
通常のグラデーションツールでは表現しきれない複雑なグラデーションもメッシュツールを使えば簡単に表現することができます。
また、リアル系のイラストを描く人にはとても役立つツールですので、ぜひ活用してみてください。